鳥を見ましたか?Birdbyアプリで瞬時に識別
アプリを開く概要
カルガモは、日本を含む東アジアに広く分布する留鳥性のカモです。市街地の公園の池から水田、河川、湖沼、湿地まで、多様な淡水環境で一年を通してよく見られます。全体的に黒っぽい特徴的な羽色と、くちばしの先端や翼鏡の色彩が識別ポイントとなります。他のカモ類に比べて人慣れしていることが多く、身近な水辺で観察しやすい鳥の一つです。
サイズと寿命
- 体長
- 58-63 cm
- 翼開長
- 約80-95 cm
- 体重
- 800-1500 g
- 寿命
- 平均 約10年(野生下)
- 食性
- 主に植物性で、草の葉、種子、水草の茎や葉、藻類などを食べます。昆虫、小魚、エビ、貝などの動物性食物も摂取することがあります。
身体的特徴
- 羽衣
- 成鳥は頭部から首、体全体が灰褐色から黒褐色で、体の下面はやや淡色です。目の上には黒褐色で細い過眼線があり、頬から喉にかけては淡い褐色をしています。くちばしは全体的に黒く、先端部分が鮮やかな黄色です。翼には青みがかった緑色の翼鏡があり、飛翔時に目立ちます。初列風切は黒褐色で、次列風切は白と黒で縁取られた青緑色の翼鏡を形成します。足は橙黄色です。
- くちばしの形
- 平たくて幅の広いくちばしで、先が黄色く、基部は黒色です。
- 目の色
- 暗褐色
- 脚の色
- 橙黄色
- 識別の特徴
- 黒い体に黄色のくちばし先端、そして飛翔時に見える青緑色の翼鏡が主な識別点です。他のカモ類と比較して、性的二形が乏しいことも特徴です。
- 幼鳥の外観
- 幼鳥は成鳥に似ていますが、全体的に羽色がやや淡く、灰みがかって見えます。翼鏡の色彩も成鳥ほど鮮やかではありません。
- 季節変化
- 羽色の季節による大きな変化はありません。非繁殖期でも繁殖期でも同様の羽色をしています。
- 雌雄の違い
- オスとメスの羽色はほぼ同じで、性的二形は非常に乏しいです。わずかにオスの方がメスよりも体格が大きい傾向にありますが、野外での識別は困難です。
識別方法
- 1
くちばしの色
全体が黒く、先端部分が鮮やかな黄色であることがカルガモの大きな特徴です。他のカモ類との識別点として非常に重要です。
- 2
体色と模様
全身が灰褐色から黒褐色で、目の上の過眼線がはっきりしている点を確認します。雌雄同色です。
- 3
翼鏡
飛翔時や翼を広げた際に、青みがかった緑色の翼鏡が見えます。白と黒の縁取りがあり、光の当たり方で輝き方が異なります。
- 4
足の色
鮮やかな橙黄色の足は、識別の一助となります。
生息地と分布
- バイオーム
- 淡水生態系
- 分布範囲
- 日本列島、朝鮮半島、中国東部、ロシア極東地域など、東アジアに広く分布します。
- 標高範囲
- 海抜0メートルから数百メートルの低地
- 好む環境
- 河川、湖沼、池、湿地、水田、ため池、湾奥など、多様な淡水域を好みます。市街地の公園の池などでもよく見られます。
行動
- 活動時間
- 主に昼行性ですが、夜間も活発に採食することがあります。
- 採食習性
- 主に水面に頭を突っ込んだり、逆立ちしたりして採食する「おじぎ採食」を行います。陸上でも草の葉をついばむことがあります。雑食性で植物質の他に水生昆虫なども食べます。
- 社会行動
- 非繁殖期には比較的大規模な群れを形成して生活しますが、繁殖期にはつがいや家族単位で行動します。他のカモ類との混群も見られます。
- 飛翔パターン
- 直線的で力強い飛翔をします。群れで飛ぶ際はV字編隊を組むこともありますが、通常は比較的まとまりのない群れで飛びます。
- 渡り
- 日本に生息する個体群は、多くの地域で留鳥であり、季節的な大規模な移動は少ないです。しかし、一部の北部個体群では冬季に南部に移動することもあります。
- 縄張り性
- 繁殖期には巣の周辺に縄張りを持つことがありますが、厳密な縄張り意識は他の鳥に比べて弱いとされます。非繁殖期には縄張りは持ちません。
鳴き声
- さえずり
- オスは「ガーガー」という低く連続した声で鳴きます。メスは「グワッグワッ」と数回繰り返すような、ハスキーな声で鳴きます。
- 鳴き声
- 警戒時にはオス、メスともに「クワッ、クワッ」と短く鳴いたり、「グエッグエッ」と甲高く鳴いたりします。採食中や群れでいるときは、様々な低音の鳴き声を交わします。
- 鳴くタイミング
- 一年を通して様々な状況で鳴きますが、特に繁殖期には活発に鳴き交わすことが多くなります。
繁殖
- 繁殖期
- 日本では主に3月下旬から7月頃まで。温暖な地域ではもっと早くから、あるいは遅くまで繁殖が見られることもあります。
- 営巣習性
- 主に水辺の茂みや草むらの中、時には人間が作った構造物の sheltering の下など、地上に皿状の巣を作ります。巣材には枯れ草や小枝、自分の胸から抜いた羽毛(ダウン)が使われます。
- 一腹卵数
- 通常7-12個
- 卵の特徴
- 卵は淡いクリーム色または緑がかった白色で、無斑です。一つあたりの大きさは53-61mm x 37-43mm程度です。
- 抱卵期間
- 約24-26日間。メスのみが抱卵します。
- 巣立ち期間
- 孵化後約45-50日で飛べるようになります。その間、ヒナはメスの親鳥に連れられて餌を探し、成長します。
- 親の世話
- メスが抱卵と育雛のほとんどを担当します。オスは抱卵期間中に去ることもありますが、一部のつがいではオスもヒナの保護に参加することがあります。
見つかる場所
河川
都市部の河川敷から、自然豊かな中流域まで、様々な河川で見られます。
湖沼・池
公園の池、貯水池、ため池、大きな湖など、あらゆる規模の止水域に生息しています。
水田・湿地
水田地帯では、餌を求めて群れで採食している姿が見られます。湿地やアシ原も好みます。
湾奥
汽水域や沿岸の湾奥部でも見られることがあります。
フィールドのコツ
- 身近な水辺を観察する. カルガモは非常に人慣れしており、都市部の公園の池や河川でも普通に観察できます。普段から通勤路にある水辺に目を向けてみると良いでしょう。
- 望遠鏡や双眼鏡. 近くにいても羽の模様や特にくちばし先端の黄色い部分、飛翔時の翼鏡を確認するには、あった方が便利です。
- 早朝や夕方に訪れる. 日中も活動しますが、早朝や夕方は比較的人が少なく、ゆっくり観察できることが多いです。特に採食行動が活発です。
- 静かに観察する. 急な動きや大きな音は鳥を驚かせます。カルガモは比較的警戒心が低いですが、驚かせないように静かに観察しましょう。
類似種
アメリカガモ
Anas rubripes
アメリカガモは北米に生息し、カルガモよりも全身が黒っぽく、くちばしの黄色い部分が少ないか、まったくない点が異なります。カルガモの翼鏡は青緑色ですが、アメリカガモの翼鏡はより暗い紫色をしています。
マガモ(メス)
Anas platyrhynchos
マガモのメスはカルガモに似ていますが、カルガモのくちばし先端は鮮やかな黄色であるのに対し、マガモのメスのくちばしは全体的に暗色で、基部や周辺に橙色の部分が見られることがあります。また、カルガモの翼鏡は青緑色ですが、マガモの翼鏡はより鮮やかな青色です。カルガモの頭には過眼線が明瞭ですが、マガモでは目立たないか、全くありません。
クイック情報
- 和名:
- カルガモ
- 英名:
- Eastern Spot-billed Duck
- 学名:
- Anas zonorhyncha
- 科:
- カモ科
- 生息地:
- 東アジアの淡水域
- 食べ物:
- 植物(種子、葉、水草)、昆虫、小魚など
- 日本での分布:
- 全国各地の淡水域(留鳥)
豆知識
- カルガモの「カル」は、「軽」ではなく、古語の「体(から)」から来ており、体の色を示すと言われています。また、くちばしが黒いことから「黒鴨(くろがも)」が転じたという説もあります。
- カルガモは都市環境への適応能力が非常に高く、人間社会のすぐそばで繁殖、子育てを行う姿がよく観察されます。特に、親鳥がひなが車道を横断するのを助けるニュースは、毎年恒例の風物詩です。
- カモの仲間で唯一、日本全国でほぼ留鳥として一年中観察できる種です。冬季に他の渡り鳥が来ても、カルガモはほとんど移動しません。
- カルガモは、外見が同じように見えるメスのマガモと交雑して、雑種を形成することが報告されています。
学術分類
- 界
- 動物界
- 門
- 脊索動物門
- 綱
- 鳥綱
- 目
- カモ目
- 科
- カモ科
- 属
- マガモ属
- 種
- カルガモ
